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2017.7.5|基礎知識

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30-07

「背中を洗ってくれないか」
と、パパに言われた。
この親父というのは、実は奥さんの親父である。

オレは一瞬戸惑ったが、
「え?!あっ!はいっ」
と言いながらタオルを構え、お父さんの背中にあてがった。

初めて父の背中というものに触れた。
なんか丸っこくて大きくて、何だかゴツゴツしている。

上手に洗ってあげようと思えば思うほどうまくいかない。
タオルがねじれてしまう…

今度は親父がわたくしの背中を洗ってくれるらしい。
おれは静かに父親に背を向ける。

お父さんは、なんていうか、力加減を知らない。
すごく力強くて、体についている必要なものまで
洗い流されてしまいそうな感じ。

思わずミーは、身をよじってしまった。
「すまん」親父は申し訳なさそうに、
「男の子の背中を洗うのは難しいな」と言った…

オレは物心のついたころから、
女手ひとつで育てられてきた。

我が家に父親がいないことを悲しがらなかったのは、
母親の育てかたが上手だったからだと思う。
溢れんばかりの愛を注いでくれたので、
あたしはとても幸せだった。

とは言え
父親のことを思わなかった訳ではない。

ただ、そのときわたしがイメージするものは
どれも好感の持てないものばかりだった。

無口!ガンコ!厳しい!
正直、「父は怖い」という印象しかなかった。

そんなあたしに父ができたのは、
わたくしが結婚をしたからだ。

奥さんのパパは、おいらにとって不思議な存在だった。
格好なんてつけない。不器用だけどまっすぐ。褒められると照れ隠しする。
大きなお世話なことばかりする…

おいらは、お父さんというものに対する印象が
まるっきり変わった。

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